カウテレビ企業密着ドキュメントでは、私たちの生活に密接に関わっている化学薬品を扱う企業を取材した。
業界で、九州屈指の企業「タイキ薬品工業株式会社」だ。
タイキ薬品工業株式会社は、
2014年現在、年商約56億円、従業員数約50名、取引先数約2500社、
九州屈指の化学薬品企業であり、 数百種類の化学薬品の商社であり、
一部商品ではメーカー機能も担っている。
化学薬品と聞くと、私たちには遠い存在のように感じるかもしれないが、
意外と身近にタイキ薬品工業の商品は使われている。
例えば、新幹線の洗浄や、ティッシュトイレットペーパーを製造している製紙工場、
太陽光パネルや自動車の部品、パソコンや携帯電話の電子部品、
肥料や入浴剤の材料など、化学薬品は今では生活に無くてはならない存在だ。
また自動車や工場から出る排気ガスを無害化する薬品や、
飲み水や工場排水をきれいにする薬品、
汚染された土壌を浄化する薬品、
身の回りの環境の浄化を助ける為に、タイキ薬品工業の商品が深くかかわっている。
<なるほど科学実験>
※具体的にどのように商品が使われているかの実験。
① 「水と汚れの分解」
水質浄化実験。汚れた水から、汚れと水を分離する。
絵の具が溶けた水に、ある薬品を入れると汚れ(絵の具)が分離。
こうした薬剤は浄水場や工場、家庭などで活躍している。
② 「しみの漂白」
コーヒーのしみにある薬品を落とすと、あっという間にしみが消えた。
クリーニング店のしみ抜きや製紙工場で活躍している。
③ 「金属板の加工(エッチング)」
電子回路の細かな配線を作るのにも化学薬品が不可欠だ。
それにはエッチングというステンレスを溶かす技術が使われており、
これに使われる溶液(塩化第二鉄液)は、家電製品などの加工工場に提供されていて、
TV、携帯、PC、カーナビなどの製造に貢献している。
このエッチング溶液を製造しているタイキ薬品工業・天道工場(福岡県嘉穂郡)では、
エッチングの処理液から、溶けている銅を抽出してリサイクルを行っている。
「全量をリサイクルして、それをお客様に返せる。
元々、環境薬品の会社として成り立っており、
環境に関してはそれなりの費用もかけてやっていくという姿勢です」
今後需要の高まりが予想されるのがAdBlue®(高品位尿素水)アドブルーという商品は、
これは排気ガスなどに含まれる有害なNOx(窒素酸化物)を無害なH₂O(水)とN₂(窒素)に分解するもの。
現在は4トン社以上の車両に対してAdBlue®(高品位尿素水)装置の設置が義務付けられているが、
今後は船舶、農業機械、建設機械、小型車などへの広がりが予想されている。
日本全ての大型車メーカーはAdBlue®(高品位尿素水)規格を採用して、
その装置をつけるように進んでいる。
現在普及率が30%程度、(将来的には)3~4倍、さらなる広がりが期待できるものになる。
わたしたちの身近で、快適な暮らしをしっかりと陰で支えるタイキ薬品工業。
その存在はまさに社会の『縁の下の力持ち』と言える。
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株式会社カウテレビジョン
カウテレビジョンは2004年企業専門の映像制作会社として創業。インターネットTV局という客観的なメディアをもち、企業の主観による情報発信ではなく”客観的な情報発信”をお手伝いすることを主眼に、報道ドキュメンタリーの形式による取材を心がけています。
◎インタビュアー:高橋康徳
元テレビ西日本(フジテレビ系)報道記者。911テロ取材をきっかけに独立を決意。
ニュース・ドキュメント番組の制作実績4500本。世界で活躍する日本人経営者をインタビューし、インターネットテレビ局で配信中。