株式会社アダル
http://cowtv2.jp/c3/adal-tv/
人口2300万人の巨大都市・中国上海。
この街で、ひときわ目立つ、
高さ492メートル、101階建ての超高層タワー。
この森ビルタワーを商売相手に持つという、
日本の家具職人がいる。
それが家具集団アダルの社長、武野重美だ。
今回のカウTVリポートでは、
業務用家具の業界で国内唯一となる、中国自社工場を持つ、
株式会社アダルの中国工場に潜入しました。
◆日本品質の家具を作る中国工場に潜入
アダルの2つの中国工場のうち松江区にある松江工場。
通常、中国工場で日本向けの製品を作ると
品質維持が難しいと言われていますが、
アダルは日本クオリティ同等のものが
できていると定評があります。
工場に潜入した私達がいきなり目にしたもの。
それは日本で見慣れたある光景、
なんと、ラジオ体操でした。
アダルでは中国で、
日本品質の家具製造を根付かせるために、
今、あらゆるものを日本式で行っているそうです。
工場の朝はラジオ体操から始まり、
朝の挨拶は「おはようございます」
というのが工場内のルールです。
◆家具集団 アダルとは?
株式会社アダルは
業務用家具やセミオーダー家具のメーカーです。
日本国内の業務用家具メーカーで唯一、
海外に自社工場を持っている会社です。
その納入先は、
ホテル、レストラン、結婚式場、
物販店、アミューズメント施設、
さらには、病院や福祉施設、公共施設など、
業務用と呼ばれる
ほとんど全ての業界を取引先に持っています。
例えば、ホテルや結婚式場では
「ANAホテル」や「wiz avenue」
大学や病院では、
「純真短大」「福岡大学図書館」「栄光病院」
など、その納入先は実に数千社に上っています。
アダルはこれまでに数々の新商品も世に送り出しています。
立ち食い蕎麦や弁当店で見かける、
ヒップバーと呼ばれる簡易型の椅子も、
実は、アダルが発明した商品の1つなのです。
アダルが生産する家具のうち、
かなりのウェイトを占めているのが、
上海の2つの工場です。松江工場では、
椅子や机といった「脚モノ」
と呼ばれる家具が製造されています。
木材の選定から、カット、削り、組み立て、
そして、塗装、縫製、上張り、検品まで、
一連のラインが、
全て日本方式で行われているそうです。
一般的な量産品の家具と違って業務用の家具は、
お客様ごとにサイズやデザインが
特注になるケースが多いそうです。
例えば福岡市のシーホークホテルの時は、
1部屋1部屋で微妙にサイズの異なる
椅子や机をおよそ1000室分、納品したそうです。
こうしたアダルの家具が売れ続けている理由には、
大きく分けて3つのポイントがあるそうです。
◆3つのポイント
(1)木材の選び方
木材は天然素材なので1つ1つ顔が違っています。
その中でもアダルでは自社オリジナルの基準を設けています。
乾燥したものしか使わないというポリシーで、
含水率12%以下を設定しているそうです。
どうしてアダルではこれほどまでに、
木材の乾燥にこだわるのでしょうか?
その理由がこちら。
中国の業者が製造して、数ヵ月後に壊れた家具です。
その欠陥品の原因が「水」なのだそうです。
(2)強度
2つ目の特徴。
それはアダルの家具の最大の特徴と言われる、
「強度」です。
アダルでは日本品質・日本のやり方にこだわっており、
長く使える家具しか作らないと、
工夫をいくつも施しています。
その1つが、木と木の接合部分にあります。
(3)工場での検品体制
最終完成品をチェックするのはもちろん、
それだけでなく、加工にまつわる工程の1つ1つで、
厳しいチェックが行われています。
そして極めつけは「耐久試験」。
日本のJIS規格の基準4000回の
耐久合格ラインに対して、
アダルは実に
20000回もの試験を課すのだそうです。
この耐久実験は、
ホテルやレストラン経営者たちに
安心感を与えるようです。
◆アダルに家具を発注したユーザーに話を伺いました。
元JR九州都市開発の社長、尾形さんは
在任中に開業した6つのホテルに
アダルの家具を導入したそうです。
数ある家具メーカーの中から
アダルを選んだその理由とは。
「JRという看板ですので、
いろんな人がアプローチしてきますが、
どんなデザインであっても
機能がないとダメなんですよ。
『壊れない』という。
アダルさんはデザインと機能、
両方の面を持ち合わせた家具を作られる。
誰一人、アダルさんに勝つ人はいない。」
◆日本品質の家具を作る中国工場に潜入
アダルでは、この日本品質の生産体制を
上海・松江工場に加えてもう1つ、
南翔地区にも自社工場を持っています。
この2つの工場で
日本品質の製造ラインを実現するまでに、
実に10年もの歳月がかかったといいます。
「もし自社工場でないなら、逃げが利きます。
私どもは自社の工場ですから、逃げが利かない。
常に完璧なものを目指しています。
『アダルの商品だから良かった』
と言われるように。技術屋ですから、
職人気質で完全なものをお客さんにお届けしたい」
武野社長はこのように語ります。
激動の国際化時代の中でも、
なお発展を続ける家具集団アダル。
今回の取材を通じて、
武野社長とスタッフの家具に対する情熱と、
中国に日本の品質を根付かせるという強い意志、
そして継続力こそが、
アダルが多くの信頼を勝ち得てきた、
真の理由なのだと感じました。
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2004年に企業専門のインターネットTV局として創業しました。
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