株式会社アクタ
http://cowtv2.jp/c3/actatv/
毎日100万人以上が行き交うという交通の要所「東京駅」。
その駅中のグルメストリートの一角に、
ひときわ人気の弁当を売る店があります。
すき焼きの名店「浅草今半」です。
1ヶ月に4000食を売るというすき焼き弁当。
1万食を売る牛肉弁当。
これらの超人気弁当の中身を際立たせるためには、
重要な脇役が必要です。
それが、弁当箱。
今回は、料理が引き立つ弁当箱を追及するメーカー、
株式会社アクタの社内に潜入し、
高付加価値を生む秘密に迫りました。
◆アクタとは?
株式会社アクタは福岡県古賀市に本社を、
東京都中央区に営業本部を構える
プラスチック食品容器のメーカーです。
創業は1955年、従業員数150名、年商22億。
日本の食文化を「パッケージ」という観点から
60年以上支えてきた、
この業界でも指折りの会社です。
スーパーマーケットや、デパ地下、
コンビニなどに並ぶ色とりどりの弁当や惣菜。
それらが美味しく映り、消費者に買ってもらうために
欠かすことができないのが、
アクタが作っている弁当箱です。
◆日本の「ものづくり」カンパニー
数ある商品の中でもアクタを代表するのが
「ワン折」です。
従来の弁当容器は、
フタと底の2層構造で作られていたため、
輸送や保管の際にかさばる・壊れる
といったデメリットがありました。
それに対してアクタが開発した「ワン折」は、
フタ材、枠材、底材の3つのパーツが別々になっており、
必要な分だけ組み立てて使うことができる
という画期的な容器です。結果として、
輸送や保管のスペースが従来から半減したといいます。
これが「ものづくり企業」として、
アクタがつくってきた歴史のほんの一部です。
そうした「ものづくりの魅力」に惹かれ、
アクタに入社してきた社員も多いと言います。
その1人。入社3年目の横井さん。
取材に伺った日は、先輩に教わりながら
製造ラインの組み換えや原料の補充をしていました。
ラグビー部出身の横井さんは、
「チーム精神」が発揮できる
アクタの社風に働き甲斐を感じると語ります。
日本のものづくりが世界をリードしてきた理由の一つに、
改善の積み重ねがあります。
同社での改善活動を見せてもらいました。
工場内には様々な作業がありますが、
それらを巡回しながら、改善箇所を探す富永さん。
この日は、段ボール箱を載せる台の高さを
調節してはどうかと検討していました。
というのも、
高さひとつで、毎日何百回と繰り返される
箱詰めの作業が効率化できるというからです。
◆和力(ワヂカラ)を世界へ
ここ数年で、日本の文化である和食や和紙が、
相次いで世界無形文化遺産に登録されました。
今、日本古来の「和」の文化が世界的に注目されています。
そんな中、アクタは創業60周年を機に、
会社のスローガンを「和力」と定め、
日本の食文化を世界へ発信しようとしています。
日本を代表する商社、
伊藤忠のグループ会社を訪れたのは、入社6年目の岸さんです。
この日は、「和力」のコンセプトで作った
新しい商品を提案に来たようです。
単にモノを売る営業ではなくお客様の声を聞きながら、
自分たちの創意工夫を載せた商品を提案していく。
アクタの営業マンたちはそんな仕事に喜びを感じているようです。
◆人と人とをつなぐ仕事
営業本部の部長・楠さん。
この日はお得意さんである名店「浅草今半」を訪れ、
店長と何やら打ち合わせしているようです。
楠さんは、新しい弁当箱を使った今半のオリジナル商品を
作ってくれないかと提案しているようです。
楠さんは弁当箱を通じて、
人と人とをつなぐ仕事ができることに、
この会社で働く誇りと喜びを感じるといいます。
◆部署の垣根を超えて
アクタには、一般の企業にあるような
「商品開発部」や「商品企画部」といった
開発専門の部署はないそうです。
では、一体どのようにしてアクタの新しい商品は
次々と生まれているのでしょうか。
その秘密が、月に1度開かれるこちらの会議にあるそうです。
集まっているのは営業マンや工場のスタッフなど、
部署の垣根を超えた20名の社員たち。
これが、アクタ伝統の「企画会議」です。
お寿司やサラダをサンプルの容器に詰めて、
美味しそうに見えるのか、買いたくなるのかを
消費者の目線で検討しているようです。
◆アクタの新たな挑戦
アクタでは最近、プラスチック加工技術を活かして、
環境に配慮した商品づくりも行っています。
従来、使い捨てが常識だった展示会用のパネルを
リサイクル可能にした「Recoボード」や、
店頭のPOPをリサイクル可能にした「Recoポップ」です。
Recoには、リサイクルとエコの意味が含まれていて、
東京丸の内のエコッツェリア協会など
日本を代表する環境活動でも採用されています。
◆展示会に密着
ボード事業部の入社1年目、小寺さん。
東京ビッグサイトで開かれた大きな展示会で、
ブースを担当していました。
スーパーマーケット・トレードショーは、
全国から3万人を超えるバイヤーが集まる
国内最大規模のイベントで、
今回アクタは大手飲料メーカー
「サントリー」と共同ブースを企画していました。
そのブースを飾っているのが、例のRecoポップのようです。
新人が現場の最前線で働く様子を柴田社長も嬉しそうに見ていました。
「日本のものづくりを世界に発信する」株式会社アクタ。
今回の取材を通して、
アクタが60年以上付加価値の高い商品を
生み出し続けてきた理由が見えてきました。
それは、「日本のものづくりを支えている」
という社員一人ひとりの誇りと、
「全員が商品開発者」という部署を越えたチームワーク、
そして常に「自己革新」していくことを
発信し続けるリーダーの存在です。
それらが一体となって
アクタの強さになっているのだと感じました。
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